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お城めぐりが楽しくなる【松江城の天守】を3つのポイントで解説!

解説!松江城の天守
お城好きな武将
お城好きな武将

松江城の天守にはどんな特徴があるの?

松江城天守の歴史や見どころ・ポイントを知りたいな!

今回は【松江城の天守】の疑問に答えていきます。

この記事を書いているのはこんな人

ゆうき
  • 本ブログで100記事以上を執筆
  • お城の面白さをみんなともっと共有したい思いからブログ・YouTube・Twitterでお城の情報・知識を発信しています。

この記事では松江城の天守を3つのポイントにまとめて解説していきます。

今回の内容
  • 2015年に国宝になった松江城天守
  • 松江城天守の防御の工夫
  • 足りない木材を補った松江城天守での工夫

では解説していきます。

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Contents

松江城とはどんなお城なの?

松江城松江城

松江城は島根県の県庁所在地・松江市にある平山城。

宍道湖畔の亀田山に築かれたお城で、堀は宍道湖とつながっています。

松江城を築城したのは堀尾吉晴・忠氏親子。吉晴は豊臣秀吉の家臣のなかで「三中老」と言われるほどの実力者でした。

秀吉の死後に起こった関ヶ原の戦い(1600年)で徳川家康に味方して戦功のあった堀尾親子は、家康より出雲・隠岐24万石の領地を与えられています。

当初、吉晴は月山富田城(安来市)を居城にしていたけど、月山富田城が山城だったために「城下町の整備が難しいこと」「鉄砲戦に対応できないこと」を理由に廃城を決定。

新しいお城を築くことになって、堀尾吉晴は松江城を1607年から1611年まで4年かけて完成させました。

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ポイント1:2015年に国宝になった松江城天守

松江城天守の祈祷札松江城天守の祈祷札
  • 「天守の完成時期」と「天守の構造的特徴」が明らかになったことがキッカケで2015年に国宝に
  • 戦前の法律「国宝保存法」で松江城天守は国宝(旧国宝)に指定されていた

もともと松江城の天守は戦前の法律「国宝保存法」で1935年に旧国宝に指定されていました。

戦後、国宝保存法に代わって現在の文化財保護法が制定されると、旧国宝は重要文化財に名称変更されています。

このうち「世界文化の見地から価値の高いもので類ない国民の宝たるもの」があらためて国宝にしてされました。

この時松江城天守は重要文化財にとどまった。

2010年に「松江城を国宝にする市民の会」は国宝指定を求める約12万8000人の署名を集めて、松江市長とともに分科用に提出。

文化庁は熱意を認めつつも、調査研究による国宝に指定するための「新たな知見」を求めました。

学術調査を進めていった松江市は、2012年に所在不明になっていた天守完成時の「祈祷札2枚」を松江神社で再発見。

祈祷札には「慶長十六年正月吉祥日」と天守の完成年月が墨書されていて、また釘穴のこん跡から祈祷札は天守地階の柱に打ち付けられていたことも判明しています。

さらに松江城調査研究委員会が昭和の大修理のときの資料から、天守が2階分の通し柱を用いるという構造的特徴を明らかにしました。

「天守の完成時期」と「天守の構造的特徴」が明らかになったことが決め手となって、2015年5月15日に松江城天守は国宝に指定されました。

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ポイント2:松江城天守の防御の工夫

天守・付櫓の入り口の工夫

松江城天守石打ち棚松江城天守石打ち棚

松江城の天守は「戦闘的」と言われる天守のひとつ。

松江城の天守が「戦闘的」と言われる最大の理由は「入り口の経路」にありました。

松江城天守では付櫓を経由して天守に入るルートになっています。

このルートは石垣によって右・左と曲げられてます。

通路を進んでいくと付櫓の中でL字状の「石打ち棚(テラス)」があって侵入してきた敵を上・背後から攻撃できました。

付櫓1階への扉、付櫓から天守地階(地下1階)への扉の左右には鉄砲で攻撃するための狭間が空けられていて、扉に迫ってきた敵を攻撃できます。

天守にまで敵が迫ってきた状況では勝ち目はないかもしれません。けど松江城天守では最後まで抵抗しようという気概が防御の工夫から感じることができます。

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倉庫として利用されていた天守の地階

松江城天守の井戸松江城天守の井戸

天守の地階(地下1階)は倉庫になっていました。

松江城天守では塩と米を保管していて、お城にこもる籠城戦(ろうじょうせん)用の食料として備えています。

また松江城天守には天守内に現存する唯一の井戸があり、飲料水の心配もありませんでした。

「天守・付櫓入口の防御の工夫」や「地階を倉庫にして籠城戦に備える」など、松江城の天守からはお城のシンボルという役割だけじゃなく、戦闘に対する工夫・備えがされていたことがわかります。

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ポイント3:足りない木材を補った松江城天守の工夫

松江城天守の包板松江城天守の包板

松江城天守では柱の強度を増すために「包板(つつみいた)」と「帯鉄(おびてつ)」を使っていました。

柱の四方に厚さ約5.5㎝の板を張って、これに帯鉄を巻いて柱を締め付けています。

細い柱に「包板」と「帯鉄」を組み合わせることで、柱の強度をあげることができました。

柱に包板を利用した天守は他になく、松江城天守の特徴の1つになっています。

なぜ松江城の天守では包板を利用したのか?

松江城天守の包板松江城天守の包板

天守の重量を支えるためには太くて丈夫な柱が必要です。

大名によっては財政面や領地での木材の入手しやすさなどで、木材が十分に調達できない場合もありました。

そこで松江城の天守では包板を利用することで、細い木材でも天守を支えるために必要な強度をもたせています。

松江城天守を見学しに行こう!

2015年に国宝に指定された松江城天守2015年に国宝に指定された松江城天守

今回は「松江城の天守」を解説しました。

もう一度内容をまとめておきます。

  • 「天守の完成時期」「天守の構造的特徴」が明らかになったことで2015年に国宝に
  • 天守・付櫓の入り口には「石打ち棚」「狭間」など防御の工夫がされていた
  • 天守の地階は倉庫で塩・米が保管されていて、井戸があった
  • 天守の柱は「包板」「帯鉄」で補強されていたのは、太くて丈夫な木材が調達しにくかったから

松江城を見学するときは、この記事を参考にして天守に注目してください。

この記事がわかりやすかったら、シェアしてくれるとうれしいです。

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