お城用語をわかりやすく解説

お城用語をわかりやすく解説 門編

お城用語をわかりやすく解説 門編

今回は「門」について解説していきます。

「門」はお城の中でもとくに重要な建物で、これは日本のお城に限らず、中国やヨーロッパのお城でも同じく重要です。

門とは、侵入しようとする敵兵の障害となるので、城門の配置や構造に工夫が凝らされています。

また、門は最も人の目にふれるものなのでお城の顔ともいえます、なので視覚的にも格式や重厚さなど完成度が求められました。

今回は下記↓について解説していきます
  • 門の構造と部品の説明
  • 門の種類と名前

では「門」について解説していきます。

門の構造と部品の名前

門の種類はお城の発展とともに増えていきました。しかし、基本構造はみな同じで、門のうえにどのような屋根がのるのか、やぐらがのるのかで種類がわかれているだけです。

門の構造ー鏡柱と冠木門の構造ー鏡柱(かがみばしら)と冠木(かぶき)

門の基本構造は、「鏡柱(かがみばしら)」と「冠木(かぶき)」からなります。

鏡柱を2本立て、そのあいだに冠木を渡して門としていました。(冠木門)

この基本構造を発展させ、鏡柱を安定させるための「控え柱」を設け、屋根をのせたり、やぐらをのせたりしていました。

門の構造ー鏡柱と冠木と控え柱門の構造ー鏡柱と冠木と控え柱(高麗門)

そして、扉には門の格式を高めるためにいろいろな表装具が取り付けられました。

門の部品の名前門の部品の名前

門の種類と名前

門には、門の屋根の上にのせた構造物の違いによってさまざまな種類があり、また建てられた場所によって名前が決められていました。

門のさまざまな種類

やぐら門(櫓門)

やぐら門とは、門の上にやぐらがのった門のことをいいます。

やぐら門は2階部分にあたるやぐらから城外の監視・攻撃ができ、さらに石落としがついているので門扉まで迫ってきた敵を真上から攻撃することもできます。
このようにやぐら門とは最も防御力の高い門になっています。

やぐら門は最も大きく、防御力もあるためお城の主要な出入り口にはやぐら門が使われました。
そのため、やぐら門は最も格式の高い門となっています。

やぐら門ー大阪城大手門やぐら門ー大阪城大手門(大阪府)
やぐら門ー名古屋城二の丸大手門やぐら門ー名古屋城二の丸大手門(愛知県)

薬医門(やくいもん)

薬医門(やくいもん)は、やぐら門に次ぐ格式を持つ門です。
格式の高い門なので、お城だけでなく武家屋敷の門にも使われていました。

門の上にのせた屋根が大きく、城内からの視覚や弓矢のさまたげになることもあり、実戦向きではありません。

薬医門は、鏡柱と控え柱を大きな屋根1つで覆った構造をしています。

薬医門ー掛川城薬医門 掛川城(静岡県)
薬医門裏側 二条城薬医門裏側 二条城(京都府)

高麗門(こうらいもん)

高麗門は、秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役1592〜1597)ころから一般化した門で、近世城郭で最も用いられている門です。(朝鮮出兵のさいに開発された門だから、高麗(朝鮮の古い国名)の名前がついているとも言われています)

薬医門とは違い、冠木・鏡柱と控え柱をそれぞれ小さな屋根で覆っていることです。

高麗門ー名古屋城高麗門ー名古屋城 本丸東二の門
高麗門ー名古屋城 本丸東二の門高麗門ー名古屋城 本丸東二の門

近世城郭の出入り口には枡形という出入り口の形がよく用いられています。この枡形という出入り口は、四角い空間に城門を2つ設置していました。
高麗門は枡形の外側の門によく用いられていて、近世城郭では最も多く用いられている門の種類です。

お城の出入り口と門ー大阪城大手門お城の出入り口と門ー大阪城大手門
お城の出入り口と門ー松本城黒門お城の出入り口と門ー松本城黒門

埋門(うずみもん)

埋門とは、土塀や石垣をくり抜いて、その下をくぐらせるようにした門のことをいいます。

設置が簡単であるうえに防御力もあるので、お城の非常口や裏口として用いられています。

埋門ー二条城西門埋門ー二条城西門

棟門

棟門は、薬医門から控え柱を省略した構造をしています。

控え柱を省略したことから不安定になり、簡略な門としてわずかしか用いられませんでした。

冠木門

冠木門は門のうえに屋根がなく、鏡柱・冠木のみで構成されています。

冠木門は江戸時代にはほとんど用いられず、明治時代になって役所や警察署など公共施設の門として用いられました。

冠木門ー掛川城冠木門ー掛川城

長屋門

長屋門とは、門を長屋の中に組み込んだ構造をしています。

侍屋敷など家臣の屋敷の門として用いられました。
門のとなりの長屋には警備として足軽などが常駐していました。

 

長屋門ー柏原藩織田家旧邸長屋門ー柏原藩織田家旧邸

鉄門(くろがねもん)

鉄門はその字のとおり、門に鉄板を貼り付けたものをいいます。

鉄板を貼り付けることで門の強度が上がり、江戸時代初期の大砲であれば防ぐことができたと言われています。

鉄門ー大阪城鉄門ー大阪城

筋金門(すじがねもん)

筋金門は、鉄門のようにすき間なく鉄板を貼り付けるのではなく、すき間を開けて鉄板を貼り付けていました。

城門には、お城の顔として堅くて丈夫であり、美しい木目の木材を用いる必要がありました。この条件をクリアするのが欅(けやき)です。
しかし、城門に使われる柱は太くなくてはいけなくて、太い欅を用意するのは簡単ではありませんでした。そこで柱を欅の集成材で作り、そのうえに鉄板を貼ることでゴマかしていたともいわれています。

筋金門ー二条城北大手門筋金門ー二条城北大手門

銅門(あかがねもん)

銅門は鉄板の代わりに銅板を貼り付けていました。

銅門ー小田原城銅門ー小田原城

門の名前

門の名称はさまざまで、門の種類は同じでも建てられた場所によって名前が異なったりしています。

江戸城では城門の数も多かったため、城門が築かれた地名を名前にしていました。(桜田門、日比谷門など)
また、姫路城では「いろは」を名前にしていました。(いの門、ろの門、はの門など、ぬの門まである)

大手門(おおてもん)

お城の表である大手の最も外側にある城門のことを「大手門」といいます。

お城の顔になる城門なのでやぐら門が用いられ、防御力と格式をかね備えた門になっています。

お城によっては追手門(おうてもん)ということもあります。

搦手門(からめてもん)

お城の裏口のことを「搦手」といい、そこに建てられた城門を「搦手門」といいます。

太鼓門(たいこもん)

太鼓門は時刻(日の出や日没)を知らせるための、太鼓が置かれた門です。

隠し門(かくしもん)

攻めてきた敵兵に対して、隠れた場所に設置された城門。
隠し門から出撃し侵入してきた敵の背後を襲うなど、敵の裏をかくための城門。