今回は「甲信越・北陸のお城の特徴」について解説します。
この地域は日本でもかなりの豪雪地域。この気候はお城つくりに影響があるんでしょうか!?
長野県や山梨県は日本アルプスなど山国のイメージですが、この地方は山城がメインだと思いますか?
などなど、調べてみて下記のことがわかりました。
- 近世城郭(織田信長の安土城以降に建てられたお城)では大部分が平城だった!
- 天守や櫓などが充実しているお城が多い!
- 寒冷地ならではの問題があり、お城つくりに影響していた!
では、「甲信越・北陸のお城の特徴」を見ていきましょう!
Contents
甲信越・北陸のお城の特徴 近世城郭の大部分が平城だった!
この地域は日本アルプスがあり、穂高岳・立山連峰・北岳などの名峰も多く山岳地帯のイメージです。
なので、お城も山岳地帯だからお城も「山城が大部分か半分くらいは占めているのかな」って思ってました。
しかし、近世城郭(織田信長の安土城以降に建てられたお城)では、「大部分が平城」でした。
新潟県には越後平野や高田平野があるので、平城があるのもうなずけます。新発田城、長岡城、高田城が新潟県の平城!
ではその他の県ではどうでしょうか!?
長野県では松本城、松代城、高島城、龍岡城は完全な平城です。
高島城は現在は諏訪市の市街地に建っていますが、以前は諏訪湖に面した「水城」でした。
大河ドラマ真田丸で有名になった上田城は、川によって削られた崖(河岸段丘)の上に建っていて現在は川の位置が変わったこともあって平山城のようですが、反対側から見ると平城です。
まず、北陸には近世城郭は少ないです(100万石の加賀前田家や越前松平家(松平春嶽で有名)など大きな藩があったため)。
近世城郭は少ないながらも、富山城(富山県)、福井城(福井県)、小浜城(福井県)、小松城(石川県)はみな平城でした。また、小浜城は日本海に面した「海城」でもありました。
では、平城以外。平山城や山城の近世城郭はあったのでしょうか!?
平山城と山城は甲信越・北陸地方では少数派となってしまうけど、平山城では金沢城(石川県)、丸岡城(福井県)、甲府城(山梨県)、小諸城(長野県)、飯田城(長野県)がありました。
山城では、村上城(新潟県)があります。
スポンサーリンク甲信越・北陸のお城の特徴 天守や櫓が充実しているお城が多い
この地域では天守や櫓などの建築が充実しているお城が多いことが特徴の一つとしてあります。
現存天守では国宝松本城天守と丸岡城天守があります。
丸岡城天守は犬山城(愛知県)の天守と現存最古の座を争っているほどの、古式の天守です。
この地方で、幕末・明治維新の時点までに残っていた天守は、高島城・小浜城の3重天守、新発田城の天守代用3重櫓がありました。
また、金沢城と福井城には5重の大きな天守がそびえ立っていましたが、江戸時代初期と早い時期に焼失していました。
スポンサーリンク甲信越・北陸のお城の特徴 寒冷地域ならではの問題とは!?
この地域は雪深い寒冷地です。
そのため、お城の天守や門などの建物には寒冷地ならではの寒さ対策が必要でした。
まず瓦(かわら)。瓦は火矢から建物を守ってくれる重要なものです。
しかし、通常の瓦は土・粘土から作られていますが、寒さに弱く凍結して割れてしまうという弱点がありました。
この点ではそれぞれのお城で対策を取ってありました。
金沢城では屋根瓦に「鉛(なまり)瓦」を使用して、割れてしまうことを防いでいました。
現存天守である丸岡城天守では、瓦に「石瓦」を使用していました。この石瓦には「凝灰岩」という軽くて柔らかい石が使われています。
特殊な例として、高島城天守では瓦は使用せず、屋根を「こけら葺き」としていたそうです。
屋根だけでなく、壁にも工夫をしていました。
壁面に瓦を貼り付けて耐久性を向上させた「海鼠壁(なまこかべ)」が金沢城や新発田城などで使われています。
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