お城用語をわかりやすく解説

お城用語をわかりやすく解説 お城の植物編

お城用語をわかりやすく解説 お城の植物編 桜が植えられたのは明治から!

今回は「お城の植物」について解説していきます。

現代のお城は桜の名所となっていて、春にはたくさんの人が訪れています。

では昔(戦国時代や江戸時代)のお城も桜が植えられていたのでしょうか?それとも他の草木が植えられていたのでしょうか?

今回は下記↓について解説していきます
  • お城に木はほとんど植えられていなかった!
  • お城の樹木の植え方

ではお城の植物を見ていきましょう。

お城には木はほとんど植えられていなかった!

中世(室町、戦国時代)のお城には木は全くなかった!

中世(室町、戦国時代)のお城には樹木は植えられていませんでした。

なぜかというと、木々があることでお城からの視界がさえぎられ敵兵の行動がよく見えなくなるからです。そして、木を盾代わりとして使われてしまうことでこちらの攻撃が当たらなくなってしまうということもありました。

なので、山城では木々がおい茂っていたわけですが、ほとんどが切り倒されていたと思われます。

中世山城の樹木ー木は切り倒されていた中世山城の樹木ー木は切り倒されていた

江戸時代のお城には樹木は規則正しく植えられていた

江戸時代のお城には樹木はまったくないというわけではありませんでした。

江戸時代のお城では、城外からの目隠しの目的で樹木を植えていました。

福岡城の樹木福岡城(福岡県)の樹木

樹木を目隠しとするため、三の丸や外郭など曲輪の外周に沿って等間隔で植えられていました。

城内は軍事機密でもあったので目隠しすることは当然ですが、城内を樹木で覆い隠すことで大名の神秘性を高めようとしたのではないでしょうか!?
ドラマなどでも、天皇が御簾(みす)に隠れてしゃべっていたりします。これと同じように、樹木で隠れたお城の中に住んでいる大名は、庶民とはかけ離れた存在だということを演出したかったということも考えられそうです。

大垣城の樹木大垣城(岐阜県)の樹木

三の丸や外側の外郭には樹木が植えられていましたが、お城の中心部(本丸・二の丸)には植えられていませんでした。三の丸に植えるだけで本丸・二の丸にまで植えなくても、隠れてしまって見えなかったためです。

また、三の丸や外郭の土塁には土塀すらないことが多く、塀の代用として木を植えておくということもありました。
江戸城では、日本で一番大きなお城ということで塀の維持費がかかっていました。そこで塀を松に植え替えて維持費を削減していました。

薬や食料となる樹木も植えられていたというが、、、

目隠し用の樹木以外にも薬や食用の実をつけるものもお城に植えられていました。
お城の立てこもって戦う篭城戦の時に、薬や食料が城内で手に入ることは有益なことでした。

しかし、一つだけ問題があります。お城にはそれほどたくさんの木々が植えられていないのです。

お城に立てこもる時には、姫路城や熊本城などの大きなお城では1万人以上の兵士が必要になってきます。だが、それほどの兵士を十分に養うだけの数にはとうてい足りていませんでした。

という訳で、城内に薬・食用の樹木を植えたからといって、合戦の結果に大きな影響を与えたとは考えられないでしょう。

明治以降はお城は公園としてさまざまな木々が植えられた

明治時代の廃城令によって、お城はその役目を終えました。
その後は、天守ややぐらなどの建物は壊されたり、堀は埋められるなどして、跡地は学校や市役所・公園となっていきました。

現在、お城跡が公園となっているところは桜の名所になっていて、3・4月には多くの人を惹きつけています。

姫路城と桜姫路城(兵庫県)と桜

実はお城に桜が植えられたのは、明治時代以降、廃城令でお城が開放されてからなんです。

お城跡が公園として開放されるときに、草木のない殺風景な場所では公園としてイマイチということで、桜をはじめとしたさまざまな樹木や草花が植えられていきました。

お城の植物の種類・植え方

江戸時代のお城には目隠し・食用や薬としてさまざまな樹木が植えられていました。

ではどんな種類の樹木が好まれたのでしょうか?

目隠し用の樹木

お城の目隠し用の樹木としてまずは、「杉」が植えられていました。

杉は大きくまっすぐ伸びるうえに、よく葉をつけることから好まれました。

杉並木杉並木

つぎによく植えられていたのが「竹」です。

竹も杉と一緒で、よく葉をつけるので目隠しにはもってこいです。そしていざという時には竹やりにもなります。

竹の一番の利点として、「燃えにくいこと」です。そのため竹林にすることで、そこを防火帯としてお城への延焼を防ぐ役目もありました。

竹林竹林

食用や薬などに使う樹木

樹木の「樹皮」「若葉」「果実」「根茎」を食料や薬として使います。

これに適した種類は、「松」「椎」「刺五加(しごか)」「栗」「柿」「クルミ」「榧(かや)」でした。

このなかでも、「松」は松竹梅ということで縁起もよく、さらに樹脂を多く含んでいるので燃料としても使え、松明にすることもできました。
また「松」は1年中通して葉をつけていることから、枯れないとしてゲンを担いで植えることもありました。
(全国に「松山」「松島」「高松」「若松」など地名に松が入っているところが多いのもそのため)

もうひとつ、「梅」もお城によく植えられていました。
「梅」は縁起が良く、花は観賞用にもなります。さらに、果実は梅干しにすることもできることから好まれていました。

彦根城と梅彦根城(滋賀県)と梅

お城の樹木の植え方

お城での木の植え方といっても難しいことはありません。目隠し用の杉なら等間隔に植えていくだけです。

ただし、1点だけ気をつけないといけないことがあります。

それは「石垣に近づけすぎないように植えること」です。

木が成長するにつれて根が発達して、石垣を裏から壊してしまうからです。

このため、石垣から十分な距離(約4m)を離して植えたほうがよいでしょう。

まとめ

  • 中世のお城➡︎視界のさまたげ、敵に盾として使われてしまうため、ほとんどの木は切り倒されていた。
  • 江戸時代のお城➡︎城外からの目隠し用として三の丸などに等間隔で植えられていた。「杉」や「竹」が好まれた。
  • 明治以降のお城➡︎公園として開放され、桜をはじめさまざまな木々が植えられ、緑があふれるようになった。
  • 「松」は縁起もよく、燃料・松明にもなることから好まれた。

参考資料